No.53

羅小黒戦記2を観た!
まだ観に行ってない人は今すぐ観に行こう!!思ったよりも早く上映数絞られてそうな雰囲気なので…。
魅力的なキャラクター、圧倒的なアクションをはじめとした丁寧な作画、現代社会の問題を思わせるテーマ性…。どれをとっても素晴らしい作品でしてよ!

前回の劇場版がそれはもう素晴らしかったので、公開を楽しみにしていました!ちなみに前回の感想を見返したら「シャオヘイがあまりにもモチモチすぎてかわいい」「ムゲンが近年好きになるクールおもしろ男すぎる」しか書いてなくて、もっと書くことあるだろ!!!と思いました。

前回劇場版を観た時はアクションのすごさにばかり目が行ってしまっていたが、今回は、さりげない仕草や動きのひとつひとつが本当に丁寧に描写されていることに気が付いた。これだけ丁寧に描いているからこそ、キャラクターひとりひとりに命を感じるし、決して多くはないセリフ量(だと思う)だったとしても、説明不足になることなく、ストーリーを理解することができるんだろうなと思いました。勉強になる~。
シャオヘイがあまりにもリアル幼児の動きしてるところとか本当にすごいよ。無言でムゲンと手を繋ぐ仕草とか、見たことありすぎるもんな。中盤の飛行機事故後、乙が甲を労うかのように膝をポンポンと叩く仕草とかも二人の普段の関係性がうかがえるようですごく良かった。
“絵で魅せる”ことの極めつけは、もちろんラストのルーイエの過去回想シーンだと思う。一言もセリフがないのに、ルーイエの感情が痛いほど伝わってくる描写力は本当にすごい。
吹き替えで見たし、これだけ絵の力が強かったら、字幕版もめちゃくちゃ楽しめるだろうから行くぞ!と思ってたのに、最寄りの映画館はもう2週目にして字幕上映終了しててそんな~~~~!?になってます…。

全体的にギャグシーンがわざとらしすぎず、クスリと笑える匙加減なのが好みだった。以下好きなシーンとか。
  ・偽物ムゲンにめちゃくちゃするクソガキシャオヘイと、笑いながらそれをスマホで録画してるルーイエ良すぎた。多分みんな好きなシーン。
  ・チーネンの弟子の名前が甲乙…丁!なのオモロ。これ漢字圏じゃないと伝わらないニュアンスなのか?
  ・部屋着で敵の本拠地に向かうムゲンの時点で面白かったのに、棒立ちで敵からの攻撃全部防いでる姿オモロすぎた。思ってたよりももっとずっと最強すぎて怖いんですけど…?
  ・ラストのシャオヘイとムゲンのアイスのくだり何?かわいいね

人間と妖精が戦争することになったらどちらにつくかと問答するシーンで、シャオヘイが「正しい方につく」、ルーイエが「どちらが正しいのかは後にならないとわからない」と話していたのが印象に残った。戦争は嫌いと零すのも。
戦争、所属するカテゴリによる対立といった問題は、2025年現在の社会問題を強く感じさせるものだと思う。人間勢力のはっきりとした主導者が見えず、モニターに表示されたセンサー上の対象物を、まるでゲームのコントローラーを操作するように攻撃している姿は、現代における戦争(虐殺)描写と重なる。
二人の意見衝突を始めとした物語上の対立について、はっきりとした結論が明示されることはなく、またそれでいいのだと感じた。受け手である私たち一人一人がじっくりと考えていかなければならない問題なのでは?と感じた。相手に対して誠実に向き合うことが大切だというメッセージを受け取りました。良い映画です。

長文,感想