No.48

ファンタジックチルドレン見た!以下感想。

めちゃくちゃ刺さった作品かと言われると多分違うと思うけど、見て良かったなと思えたし、何年か経った頃にまた見返したいなと思えるような作品だったと感じる。
おそらく作画はそんなにリッチな作品ではないと思うけど、それを補うようなBGMの演出が良かった。なにかが起こる前に不穏な曲がスッ…と差し込まれるの良すぎ…。
というかBGM自体がめちゃくちゃ良い。

2025年現在は、アニメといえば1話から引きが強くあるべきという風潮があるように思うので、こういう序盤が謎だらけなスロースターター作品って久しぶりに見た気がする。
よくわからないながらも見進めていくことで点と点がつながっていき、真実の輪郭が段々と形作られていく体験って気持ち良い。輪るピングドラム見た時の視聴感とかが近かったかも。

トーマ≠ソラン(トーマ=セス)のミスリード見事だったな。気持ち良く騙されて気分が良かった。
事実がわかってから思い返すと、ちゃんとトーマ=セスだと自然な描写になってた気がする。丁寧だ。
セスのこと特になんとも思ってなかったのに、ラスト3話くらいで急激に愚かポイントを爆稼ぎしてきたせいでめちゃくちゃ好きになってしまった。2次元の愚かな人間のことが大好きなため…。
デュマも割と愚か人間(どちらかというと生きづらそう人間)なので好感度高い。

ティナとアギがギリシア人としての自分ではなく、ヘルガあるいはイアンとしての今生の自分の生を大事にしたいという結論に至ったところがとても良かった。
過去のしがらみを昇華して、今現在とこれから至る未来を大切にしようとするという主張って、ありきたりかもだけどやっぱり大事なことだと思うから…。

最終話エピローグで大人になったトーマ出てこないの、何?!あんなに主人公みたいな立ち位置なのに!?って見終わったばかりの時は思ってたんだけど、描写されてたらそれはそれで蛇足感あったんだろうなとも思う。
はざまでティナからの赦しを得たことで、セスの贖罪の旅は終わったのであり、トーマはトーマ個人としての人生を謳歌するのだと思う。
前世(ギリシア)での因縁から開放されたということを暗に示すためには、エピローグで姿を見せないのが効果的だったのかもね。


ギリシア人の警備意識ガバガバすぎんだろ…。

長文,感想